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2022.10.19
コラム
連絡が取れない相続人への対処法(戸籍)
音信不通の相続人と連絡を取るために下記のような手段が挙げられます。
・戸籍謄本を辿り本籍地を調べる
・戸籍の附票を取得する
連絡が取れない相続人について調べる場合、戸籍資料は有力な手掛かりとなります。
まずは役所に確認をしてみましょう。
連絡が取れない相続人への対処法(法的手続き)
思いつく手を尽くしても、相続人と連絡が取れないことがあります。
この場合は「不在者財産管理人」を立て、連絡が取れない相続人に代わって
財産を管理してもらうことが可能です。
不在者財産管理人は不在相続人の財産を管理保管しますが、
家庭裁判所から「権限外行為の許可」を得ることが出来れば
遺産分割協議にも参加することができます。
一般的に不在者財産管理人には、相続に利害関係のない親族等が選ばれますが、
候補者がいない場合は家庭裁判所にて適当な弁護士が指定されます。
7年以上行方不明で生死が不明の場合には、「失踪宣告」を行う方法があります。
失踪宣告をした場合は法律上死亡したものとみなされ、
遺産分割協議ではその相続人は亡くなったものとして協議を進めることになります。
失踪宣告は、相続人の住居地の家庭裁判所へ申し立てにより手続き可能ですが、
調査などを経てから宣告されるまで半年以上かかります。
ただ、この方法は相続税の申告期限に間に合わない可能性があるため最終手段としてください。
相続人が遺産分割問題で争わないための対策
相続人の相続問題をスムーズに進めるためにできることがあります。
生前贈与
生前贈与とは、自分が存命中に周りの方等に財産を贈与するものです。
自分が亡くなる前に次世代の子孫などに財産を移転することができるため、
受け取った人はその財産を生活費や教育費などに利用できるというメリットがあります。
身内が亡くなり、相続手続きによって財産を相続した場合には「相続税」が発生しますが、
生前に贈与した財産には相続税が課税されないのです。
しかし、法的に相続財産を受け継ぐ権利を有している身内(法定相続人)に対して
贈与をした場合には、上記の手段は使えない場合があります。
どんなときか。
それは、生前贈与から3年以内に身内が亡くなり、相続が発生した場合です。
つまり、相続開始から遡って3年以内に行われた生前贈与については
相続税の課税対象となりますので注意が必要です。
また、法定相続人でなくとも…
例えば、あなたがお孫さんに生前贈与をしたケースがあるとします。
その後3年以内にあなたが亡くなり、あなたが掛けていた死亡保険金などを
お孫さんが受け取った場合には、生前贈与をした分の財産については
相続税の課税対象となってしまうのです。
生前の贈与は、相続税の節税になるともいわれていますが、
今後は相続税と贈与税の制度が変更される可能性もあります。
取り組みの際には事前に税理士にご相談されることをおすすめします。
公的な遺言書作成
公正証書遺言とは、公証人役場において証人二人の立会いの下、
遺言者の口述により公証人が作成するより確実な遺言書となります。
遺言の存在と内容が明確であり、家庭裁判所の検認も不要です。
遺言書の原本は公証人役場に保管(原則20年)されるため、
改ざんや紛失の心配もありません。
まとめ
遺産分割協議は相続人全員で行う必要があります。
何らかの理由で疎遠になり連絡が取れない親族でも、相続権がある以上無視できません。
勝手に遺産分割協議を進めては無効になり相続手続が遅れるだけです。
連絡が取れない相続人がいる場合は、しかるべき方法で対処しましょう。
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